実践的床ずれケア DVD・BOOK・TOOL
骨突出測定器
骨突出測定器の特徴
床ずれの発生は骨突出部に好発します。この測定器は、簡易に骨突出のレベルを判定し、予防マットレスの選択ができます。床ずれ発生の予防につながります。
骨突出測定器は、次の4つの項目からなっています。
- 自力で体位変換できる能力
- 病的骨突出と呼ばれる仙骨部の骨が隆起して見える状
- 浮腫
- 関節拘縮
この項目の2番目にある病的骨突出は、仙骨周囲にある筋肉や皮下脂肪が、廃用性委縮や低栄養で、痩せてしまって起こるのですが、仙骨部の飛び出し具合が高度になるほど、床ずれリスクが高まります。
骨突出測定器の使い方
OHスケールでは、仙骨の突出度を、3段階で判定します。
使い方は、図1上のように脊椎に直行するように判定器の中央を仙骨部に合わせて判定します。
正常では、仙骨部は、左右の臀部に守られており、中央部は、ややくぼんでいる状態です。危険性は無く、点数は0点です。 臀筋の委縮が始まるとやがてほぼ水平になります。(図1下)この水平になった状態では、圧やずれ力が仙骨部にかかり床ずれ発生の危険が始まります(点数1.5点)
更に骨突出が進んで来ると高度突出のポイントがあります。(点数3点)
その判定法は、左右に2cmの脚が付いている方を皮膚側に向けて、中央を仙骨部にわせた時に、中央の骨突出部と片側の脚部しか触れることがなくまるでシーソにみたいになるのです。(図2下)
つまりここに登場する病的骨突出判定器を、おむつ交換時などに側臥位で仙骨部に当てるだけで、正常から高度突出の3点まで、わずか1秒で簡単に正確に計測できます。
その後、浮腫があれば、3点、関節拘縮があれば1点と加算して行ってOHスケールの判定が完成します。10点満点の内 1~3点までは軽度床ずれ発生の危険性あり、4~6点 が中等度7から10点が高度となるわけです。
ベッド上のマットレスは、このリスクに合わせて病院でも在宅でも簡単に選べます。特に在宅の場合は、病院よりも介護力が弱いことが多いのでマットレスの機能を病院よりは1段階高機能とする場合が多いのです。(詳細は『新床ずれケアナビ』p93参照)床ずれは、一度出来ると大変です。是非、日本人の科学的研究に基づいたOHスケールを使って、患者様を床ずれから守ってください。